大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)
攻下の大黄と炙甘草のみからなり、便秘一般に用います。
【配合】
大黄・・・・大腸にのみ働く大腸性の下痢で、瀉下によって消化吸収を阻害することはないので、一面安全と言えます。
しかし、大黄は瀉下効果を持ちますが、タンニンを含むために、あとで返って便秘をきたし、連続服用すると便秘を悪化させることにもなります。
炙甘草・・・・こうした弊害を減少させるとともに、瀉下のいきすぎを防きます。
ただし、本方はやはり、大黄のもつ欠点が残存するので、単独で便秘に使用するのはよくないし、長期服用も避けるべきです。
病態をしっかり把握して、根本的な治療方剤を決めたうえで、瀉下の効能を強める目的で適宜配合すべきです。
大黄は、清熱の効能ももつので単独で使用する場合は、熱証を呈するものに使用しましょう。
※元来は胃腸の実熱で「便秘し、食べると嘔吐するもの」を治療するために用いられていたらしいです。
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