49歳 女性 疲労感【疲乏】の1症例
この内容は、本人の了承のもと投稿しております。
年齢49歳 女性 専業主婦
初診日:2022年8月15日
主訴:全身の疲労感
2021年10月末
夕方の家事をしている際、自身が着用している服や手に持っているフライパンなどが重く感じるようになる。
(徐々に疲労感や怠さが増していく感じ)
11月
更年期症状(のぼせ)があり、薄着で生活していたときに喉の痛みが出る。
葛根湯を服用し、2日間で痛みは取れた。
しかし、三日目の入浴後に全身の悪寒、節々の痛み、だるさ、発熱が出現する。
病院には行かず、2週間自宅療養をする。
その後すぐに耳鼻科、内科を受診するも異常なし。
この風邪以降、疲労感や身体のだるさが一日中でるようになる。
1月
近所の神経内科で血液検査、MRI、PCR、抗体検査を行うが全て異常はなく、
お医者さんから「慢性疲労症候群」と告げられる。
以降、白湯や散歩、マッサージなを受けるようになったが、疲労感は一日中出ている。
<増悪因子>睡眠が浅い時
<緩解因子>睡眠の時間を長くとること
<既往歴>
3年前 虚血性大腸炎(1週間で薬で治る)
<その他症状>
両足の冷え、痺れ(くるぶし以下全体的に)
頭が痛い
首肩の凝り
関節痛(両肘)
動悸
目の疲れ、かすみ
湿疹ができやすい
のぼせる
悩み、心配事がある
眠れない
<体表観察、その他問診事項省略>
<弁病> 疲乏
<診断>
心肝気鬱 相対的な血の不足
<処置>
右神門
週1〜2回のペースで通院
初診〜5診目
配穴:神門、合谷、太衝を使用
怠さは特に変わらないが、以前より睡眠が深くなり、のぼせや動悸、目の乾燥感が減ってくる。
8診目〜12診目
少しずつ疲労感、怠さが減ってくる。初診時10→3
現在も治療中
本人は風邪症状の際に、コロナ?の後遺症と思っていたが、お医者さんに慢性疲労症候群と言われ、
薬や白湯を飲むように心がけていた。
自身の生活だけでは治らないと思い来院される。
この症例は虚実や気血のウエイトで悩みましたが、3回目以降の脈や舌、ツボの変化などに良好な所見がみられたため、見立てに確信を持てたことが良かった点だと客観的に思います。
鍼灸治療の効果には1回目から劇的に効く症例もあれば、徐々に楽になる方もいます。
1回で治療をやめてしまう人は、もうどうしようもないですが今回の症例は主訴に変化がないが養生を守って頂き、本人が頑張って通院した結果が思ったよりも早く治癒に向かっていったのだと思います。
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