芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)
【配合】
白芍(びゃくしゃく)
炙甘草(しゃかんぞう)
【一般に使われる例】
筋肉の痙攣を緩解して、痛みを鎮める効果を持ち、鎮痙、鎮痛剤として頓用されています。
■筋肉の痙攣
肝の臓の血(肝の陰の作用)が不足し、肝気の暴走が抑制されなくなって失調し、筋脈を擾乱するために生じると考えられています。
○白芍・・・補血薬(血を補う)
肝血を補うことにより、肝の機能を調整します。
陰液を滋潤することにより陽気を安定させるこの効能を柔肝(じゅうかん)と呼びます。
○炙甘草・・・補気薬(気を補う)
白芍の吸収を補助し、かつ生津の効能により肝陰の滋潤を補助するので、柔肝の効果を高めることができます。
つまり、間接的な疏肝解鬱剤ということです。
疏肝解鬱に関連する多くの方剤に基本薬として配合されています。
なお、柔肝の白芍と健脾の炙甘草の組み合わせであり、脾(胃腸)を強め、肝血を潤して、柔肝するので、「脾虚肝乗」の肝脾不和にも適合します。
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