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喘息の1症例【熊本市49歳女性】


咳をする女性



初診:20XX/02/07


【主訴】

喘息(初診3日前に喘息の急性発作)


【現病歴】

3週間前の夜中1時〜2時の就寝中、空咳(小さな音の咳コッコッという咳)が出て目覚める。

それ以降、毎日夜1〜2時頃の睡眠中に出るようになり、少しずつ粘っこい透明の痰が出るようになる。

基本透明色だが、たまに黄色で粘りがある。市販の咳止めを服用するが効果なし。


本人は病院に行きたかったが、コロナの可能性としてどこも受け入れてくれない状況のため、様子を見る。


初診3日前の23時頃、息が出来ないほどの咳が出て、日赤の救急外来に車で向かった。

その時は、意識朦朧としていて、あまり記憶がないが、日赤の救急外来でレントゲン、血液検査などを行う。

→点滴し、落ち着く。

→処方 漢方薬(不明)+胸に貼るぱっちん

その日は朝の5時に帰宅し、3時間ほど寝ると緩解したため、朝9時ごろから通常の8時間ほど勤務。


昨日、喘息と診断され、医師から「長く付き合っていく症状」と言われる。

本人は、診断名がついて安心しているとのこと。

咳が出る頻度は変わらない、夜中1〜2時頃が多い。


【既往歴】

0歳:〇〇村 出生。

山に囲まれた街で、かなり冷え込む地域で育つ。


幼少期:扁桃腺の腫れ、発熱。

父がとても神経質な人で、1歳半まで本人に日光が当たらないようにして育てられる。外に殆ど出ていない。

その影響なのか病弱で、よく扁桃腺が腫れ、発熱し、週に1回は病院に行っていた。

(外に出ると日光が当たるため、病院の診察は車の中で診てもらっていた。)

扁桃腺は腫れやすく、発熱しやすくなる。(20代前半まで)


小学校:高学年から暴飲暴食

物静かで内気な性格。

小5:初潮(月経痛なし、血塊なし、25〜26日周期、血の質は淡紅で性質も普通)

小学生〜中学生まで、家にあるお菓子をすべて食べるほど毎日暴飲暴食をしていた。(クッキーやチョコ、スナック系)


中学校:月経痛、胃潰瘍発症。

野菜嫌いで、油膩物や肉類、お菓子の暴飲暴食は続き、ストレス等はないが胃潰瘍になる。(すぐ治る)

テニス部に所属。練習量は普通で体力的にもついていけていた。

生理初日〜2日目に月経痛が出るようになる。血塊あり、月に2回生理が来る。血質は、粘り気のある濃い赤色。

この頃から、便が出にくくなる(2、3日一行)


高校生:大きな病気なし、暴飲暴食、便秘

テニス部に所属。練習量は普通で体力もついていけていた。暴飲暴食、便秘は続く。

周りと比べ、少し太っていた。

 

大学生:熊本市の短大に進学

保育士の免許を取得。


20歳〜:保育園に就職。扁桃腺の脹れ

保育園に就職。

優しい保護者に囲まれ、保護者のホームパーティーに呼ばれることもあり、とても充実した楽しい毎日だった。

扁桃腺は相変わらず腫れ、発熱しやすく、半身浴で汗をかき、翌日出勤するということもしばしば。


32歳:託児所に転勤。

転職し、今までのストレスがなくなり、心身ともに良好になる。


33歳〜38歳:保育園グループ会長の付き人になる。

保育園グループ会長の付き人になる。

今で言うパシリのような感じで、中国、マカオ、台湾など海外に行くこともあり、ほぼ休みなく会長のおともをする。とても忙しく、ストレスもあったと思うが、今思えば楽しい5年間だったと思う。


38歳:飲食店に転職。子宮筋腫が見つかる。

筋腫が18個(合計1kg)ほど見つかり、クリニックにて15cmほどメスを入れ、切除。

この時に、過去に妊娠していたことを医者から告げられる。(とくに気にしていない)

甘いもの、肉類の食生活は変わらず、運動はとくにしていない。


40歳〜45歳:腰の重だるさ、足の冷え、手先の腫れ

統括マネージャーを任される。休むことが嫌いなため、基本毎日働き、現場を4〜5店舗回っていた。(現在も)

仕事後によく腰が重だるくなることが増える。

この頃から足の冷え、手指の腫れ(左右の末節骨付近)が出るようになる。


46歳:アレルギー性鼻炎、月経過多、貧血

就寝前のベッドで横になると、鼻が詰まるようになり、喉の奥が乾燥しやすく、イガラっぽくなる。

この頃から、月経の出血量が多く、周期も短くなっていく。(閉経が近づいていると実感する)その影響なのか、家や仕事関係なく、立ちくらみが出るようになる。


現在:主訴発症

今月から5月までの間、新店舗拡大でかなり忙しくなっていくとのこと。


主訴①

・増悪因子 夜の1時〜2時の間、甘いものやアイスクリームを食べると、咳と痰が増える。

・緩解因子 仕事中などの集中している時



<その他の問診情報、体表観察所見>

省略


<東洋医学的診断>

腎陰虚>肝火犯肺(背景に痰湿阻肺あり)



<治療>

左照海(腎臓のツボ)に試し鍼(古代鍼を2センチ程離して、かざす)

舌が潤い、脈の反応が顕著に良くなる。

同じツボに2番鍼を15分間刺入。



<2診目>

3日後に来院。

初診当日は軽い眠気があり、よく眠れた。

翌日から空咳の回数が減り、初診前(10)→現在(3)7割ほど良くなり、夜中も1回しか目覚めなかったと。


まだ、大きい咳は出るが回数も減ってる。


同じツボに25分刺入。



この方は、勤務先の社長さんの紹介で、

「喘息にも鍼灸がいいかもしれない」と聞いて、来院される。


新店舗拡大で毎日勤務しているため、以降まだ来院はされてないが、

病院で一生付き合っていく症状と言われている症状が、鍼灸治療で緩解をみせたことを喜んでおられた。



咳にも色々種類があり、痰湿、温病、傷寒、臓腑病など様々だが、試し鍼を行い、確信できたことがよかった。

しっかり治療すれば、完璧に治ると思っている。








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