当帰芍薬散
【適応するタイプ】
血虚、寒証の水湿
(血の不足があり、冷えて、体の中が水溜りのようになっている人)
【効能】
補血、散寒、利水
本方は補血と利水の組み合わせで、多方面に応用されています。
基本的に、皮膚に艶がない、顔色が悪いなどの血虚の栄養不良状態とともに、浮腫、軟便〜下痢などの水湿がみられる場合に適しています。※冷え性にも用いられる。
補血活血の当帰・白芍・川芎で血虚を改善し、沢瀉・蒼朮・茯苓で水湿を除きます。
蒼朮・茯苓が健脾に働くので、消化が悪い場合にも有効です。
このほか、当帰・川芎の散寒の効能により血行を促進し、さらに利水薬が浮腫を除くので,肢体の湿のために外界温度が低下すると強く冷えを感じる「冷え症」にもよく用いられます。
本方は元来「婦人懐娠腹中疼痛」という妊娠中の腹痛(切道流産)に用いられ、当帰・川芎・白芍の調経の効能を利用していました。
この効能にもとづいて,習慣性流産・妊娠時の原因不明の腹痛に用いて、切道流産で下血を伴う時には、芎帰膠艾湯を合方して使用します。
このほか、利水の効能を利用して妊娠浮腫にも用いられています。
日本では「虚証(体が弱ってるタイプ)の駆瘀血剤(血の塊を無くす)」と評価されていますが、当帰・川芎の活血の効能しか持たず、補血の当帰・白芍と健脾の蒼朮・茯苓の配合はありますが、「虚証の…...」といわれるほど補益効果は強くないです。
利水と補血を主体にした活血の方剤。
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