【組成】
黄芩・麦門冬・地骨皮・車前子・炙甘草を15gずつ
蓮子・茯苓・黄耆・人参を25gずつ
【効能】
益気滋陰・清心火
【主治】
心火上炎
気陰不足
【説明】
補気健脾を主体とし生津・利水・安神・清熱を組み合わせたやや複雑な処方ですが、補気生津する気陰双補剤と考えると理解しやすいです。
この漢方が古典に記載されている内容は複雑で、「心労によるいらいら・抑うつ・睡眠が浅い・多夢・口渇・多飲・手足のほてり・四肢のだるさ、ならびに排尿痛・排尿困難・濃縮尿・帯下などに適応する」と書かれています。
これらは心陰虚(心の臓を冷ます作用が衰える)による症状と、陰虚にともなう濃縮尿によって尿路が刺激された症状と考えられます。
病態の主体は陰虚(陰が不足)を示します。
生津の人参、麦門冬、蓮子、炙甘草と安神の蓮子・茯苓で心陰虚を改善し、体液を潤し、さらに利水の茯苓・車前子・黄耆で排尿の異常を改善させます。
補気健脾の薬物は消化吸収を強め機能を高めて多薬の効能を補助し、地骨皮・黄芩は陰虚の熱証をしずめるとともに、ある程度の消炎作用を果たします。
以上のように体液を補充し元気をつけて、排尿を改善させることが本方の目的です。
私の師匠である名医 藤本蓮風先生は「心腎不交」のものに使用するとよく仰っていましたね。
コメント