本日は漢方の四逆散について解説していきます。
このブログの漢方シリーズでは、あらゆる漢方を紹介しておりますが、当院では漢方の処方は行っておりません。
鍼灸と同じ東洋医学の漢方を紹介することで、私の知識や臨床能力が上がり、結果的に患者さんへ良い治療ができると考えております。
それでは、本日は「四逆散」についてです。
■四逆散について
四逆散は、以下の生薬の組み合わせで出来ております。
【組成】
炙甘草
枳実
柴胡
白芍
四逆散は何を治すのか?
【主治】
①少陰病四逆
四肢の冷え・咳嗽・動悸・尿量減少・腹痛・下痢・裏急後重など
②肝脾不和
抑うつ感・ゆううつ感・いらいら・胸脇部が脹って苦しい・腹満・腹痛・下痢
本方は、【疏肝解鬱、理気】の基本方剤でと言われています。
肝気鬱結に広く本方を用い、また基本として多くの疏肝解鬱剤に加減配合されている重要な方剤です。
もっとも基本的で妥当な柴胡、白芍の配合によって疏肝解鬱と柔肝をはかり、さらに芍薬甘草湯の配合により鎮痛し、理気の枳実で平滑筋のけいれん、ジスキネジーを除いて蠕動を正常化させるもので、肝気鬱結にともなうジスキネジー、疼痛、痙攣などに奏功すると言われています。
【専門的なメカニズム】
四逆散は「陽気内鬱の病態」
古典:傷寒論
「少陰病,四逆し,その人あるいは咳し,あるいは悸し,あるいは小便利せず,あるいは腹中痛み,あるいは泄利下重のものは,四逆散これを主る。」とあります。
少陰四逆は、風寒が外犯して少陰に深入したが、少陰陽気は衰弱しておらず、邪が厥陰と小陽三焦に影響を及ぼした状態です。
寒邪によって厥陰の陽熱の布達が失調し、四肢末梢に達しないために四肢が冷えます。
少陽三焦の気機が阻滞され水津が停滞して飲邪が変生し、それが肺を上犯→咳、心を上凌すると動悸、水道を阻遏するので尿量が減少します。
また寒邪が気機を阻遏すると腹痛・下痢が生じます。
また、この四逆散を加減したものが逍遥散ですね。逍遥散についてはこちら
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