初診:20XX/04/10
【主訴】
右肩〜肘にかけての痛み
【現病歴】
3年半前の12月28日、右肩に激痛が走り、夜も眠れない状況になる。
翌日、済生会病院を受診。この時、痛みが原因なのか、発熱していた。
その日は帰宅し休むが、翌日再度激痛により救急搬送され入院。
あまりの痛みにこの頃の記憶があまりなく、ほとんど詳細は不明。
現在の状況
上記以降、肩の痛みはじくじく痛む感じがあり、痛み止めを服用すれば一時的に治まる。
雨が続くような状況(気圧の低下)で、痛みが出てくるように感じている。
<主訴発症の背景>
3年半前の7月〜12月、半年間契約で事務仕事の勤務をしていた。
仕事のストレスがきつく、この頃は肉体的にも精神的にも辛かった。
【既往歴】
0歳:千葉県出生、扁桃腺の腫れ、発熱、気管支炎
7歳:左脇腹血管腫
11歳:蕁麻疹発症
35歳:十二指腸潰瘍発症
40歳:喘息発症
48歳:左脇腹脂肪腫
50歳:心不全、喘息
66歳:脇腹蜂窩織炎、主訴(右肩〜肘の痛み)発症
右肩〜肘の痛みについて
■悪化する要因
気圧の低下(雨>くもり)
冷えると痛み増強する。
■よくなる要因
入浴で温める
ビワの葉治療
<その他の問診情報>
関節が痛む(肩、肘)
アレルギーがある
痰が出やすい
眠れない
よく便秘になる
冷え性である
小便の切れが悪い
<健康のために心がけていること>
歩く(散歩や登山)
<余暇の過ごし方>
温泉や自然あふれる場所に行く
<PCモニタやスマホを観ている時間>
約2時間/日
<東洋医学的診断>
腎虚肝鬱、右小腸経の冷え
<1回目治療>
手足のツボに2箇所刺鍼し、15分置き鍼をする。
<2診目>4日後
右肩〜肘のうずきは良くなってきているとのこと。
2日前から喉の痛み、咳、鼻水が出始める。
奥に隠れていた冷えが表面にでてきたと考察し、治療方針を変更。
右臀部に一本刺鍼。
発熱する可能性があることを告げる。
<3診目>
前回治療後、微熱がでて発汗し、一週間で風邪症状は取れる。
右肩〜肘の疼き少しあり。
右合谷に一本刺鍼。
<4診目>
右肩〜肘の痛みはほとんど治ってきている気がするとのこと。
<5診目>
痛みもうずく違和感もなくなる。
現在も身体の冷えはまだ残っているが、症状は良くなっているので、冷えないように養生してくださいと告げる。
現在は、不眠などその他症状の治療で通院中。
■関節痛/東洋医学的な分類
一般に、関節痛を含む運動器疾患は以下の4つに分類されます。
①経絡経筋病(ツボの病)
②臓腑の変動から経絡経筋に波及したもの
③臓腑病
④痺病(ひびょう)
①経絡経筋病について
何らかの作業動作時における癖や無理な体勢、ある特定の筋肉の使い過ぎなどの物理的負荷によって、あつ部位の経絡経筋(ツボのライン)が異常をきたしたもの。
②臓腑の変動から経絡経筋に波及したもの
臓腑(内蔵)に異常があって、それが関連するツボのライン(経絡経筋)に波及してしまったもの。
例えば、膝の前面(胃のツボのライン)に痛みがある場合、歩き過ぎたとか、膝を捻挫したという既往がなく、飲食不節で胃の調子が悪く、便の出もわくなってから膝がさらに痛む。という情報があれば、胃腸(胃の臓腑)の異常が胃のツボのラインを悪くし、膝痛が発症しているという可能性が出てきます。
③臓腑病
仮に肘が痛いという方がいる場合、肘に関わるツボのラインを傷めているという既往がなく、ただストレスがかかってきてから痛みだしたという場合であれば、肝臓の病変による可能性が出てきます。このような場合は、ほかに肝臓に関わる症状が複数あれば、その問題となります。
④痺病(ひびょう)
外邪(外から入ってくる邪気:風邪症状のようなもの)と関わることが多く、痛みの特徴として、スターティングペイン(関節の屈曲伸展の動作開始時に痛みがきつく、その動作をしていくうちに緩解してくるもの)を伴うのが特徴です。風邪症状に関わる症状や所見を確認する必要があります。
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