初診日:X年10月19日
■お悩みの症状
動眼神経麻痺による ①眼瞼下垂(左まぶたが開かない)
②複視(物が二重に見える)
■動眼神経麻痺の現在の状況
①眼瞼下垂
左まぶたが開かない
※夜は光の加減のためか、少し開きやすい
②複視
左の眼球がほぼ動かない(左側に少し動く程度)
左まぶたを持ち上げて両目で見ると、左の眼球が動かず、視野が固定されているので、右の視野と重なってしまい、平衡感覚がおかしく気持ち悪くなる。
※現在の病院での見解
両眼球のサイズは均等になってきているが、眼瞼下垂、復視の症状に変化はないとのこと。
■動眼神経麻痺発症前の生活背景と体調
7月半ば(主訴発症2か月前)〜8月
仕事が忙しく定時を過ぎてしまうことが多々あり、好きだったゴルフの打ちっぱなしに行く頻度も減っていた頃、コロナウィルスに感染する。
38.2℃の発熱、悪寒、節々の痛み、食欲減退、倦怠感などの症状があり、上半身や後頭部に寝汗をかき、解熱。1週間〜10日程で治る。
このコロナ感染が治癒して以降、仕事中の疲労感を感じやすく、冷房に当たると寒気を感じる。
9月頃
会社の人間関係や会社への不満などストレスが貯まり、イライラすることが増えていた矢先、今回の主訴発症。
■動眼神経麻痺発症から現在まで
約1か月前の9月5日
朝起床時に、左側の眼瞼が半分くらいしか開かないことに気づく。その2日後には、普通に生活をしているときに完全に閉じるようになる。
(左目を開けようとすると、今より少し開く程度)
耳鼻科(痛み止めの処方、副鼻腔炎ではないとのこと)
↓
日赤(脳神経内科にてMRI検査 異常なし)
糖尿病合併症の可能性(現在服用の薬で2週間様子を見る)
↓
日赤(症状変化なし、再度MRI検査異常なし)動眼神経麻痺と診断される。
直近2週間の状況
抗ウィルス薬を服用し1週間経過した頃、悪寒がマシになってきているが、目の症状は変わらない。
初診当日の数時間前
日赤→眼球の大きさは均等になってきているが、症状不変。
当院を受診
■既往歴
小学生:扁桃腺肥大症
35歳:ぎっくり腰
47歳:尿管結石、五十肩
53歳:糖尿病
<その他の問診情報>
首肩がこる
関節が痛む
めまいがする
目の症状(疲れ・かすみ・光が眩しい涙がよく出る)
悩み・心配事がある
眠れない
冷え性
疲れを感じる(朝・夕方)
■健康のために心がけていること
食後20分ウォーキング
■余暇の過ごし方
ゴルフ・散歩・ドライブ
■PCモニタ・スマホを観ている時間
約6時間/日
治療の経過
<初診の治療>
治療・・・百会に1本刺鍼 20分
百会(ひゃくえ)
<2回目治療>6日後来院
初診治療後の翌朝、寝汗を全身にかいた。
その日は鍼後のだるさが少しあったが、夜には回復した。
治療後3日後から左目が開くようになり、極力両目あけて見るように心がけている。二重に見える症状は、変わらない。
治療・・・百会に1本刺鍼 25分
<3回目治療>6日後来院
鍼後のだるさ眠気なし
左目は自然に開くようになってきている。
二重に見える症状は、変わらない。
治療・・・百会に1本刺鍼 30分
<4回目治療>7日後来院
眼瞼下垂はだいぶ良い。
二重に見える症状は、上を見るときは両目の焦点が合うようになってきた。
両目で、右を見る→左を見るときに二重に見えて気持ち悪い。
治療・・・百会に1本刺鍼 30分
<5回目治療>7日後来院
眼瞼下垂はだいぶ違和感もなくなってきている。
最初10→現在2弱くらい
二重に見える症状は、左下を両目で見ると二重にみえる。
治療・・・百会に1本刺鍼 35分
<6回目治療>7日後来院
だいぶ調子いい。
前回2弱→1弱程度
二重に見えるのも減り、酔うような気持ち悪さは感じない。
体全身の疲労感も軽くなっている。
治療・・・百会に1本刺鍼 40分
<7回目治療>7日後来院
違和感なし
前回1弱→0.2くらい
少しPC作業で疲れてくるとまぶたが重く感じる程度。
また、以前まで仕事のPC作業20分ほど行うと、すぐに目が疲れていたが、最近は5〜6時間作業をしてやっと目が疲れるくらいになっている。
治療・・・百会に1本刺鍼 40分
<8回目治療>14日後来院
複視も眼瞼下垂もOK
PCを長く触ると目が疲れてくることはあるが、休みの時は何も感じない。
治療・・・百会に1本刺鍼 35分
以上で、治療を卒業されました。
こういった動眼神経麻痺や顔面神経麻痺などは、熱病、実型である場合は早期に治っていく事が多いです。この方は気逆(気血が上に上がりやすい)しやすい体質のため、偶にメンテナンスをしておくことをオススメ致しました。
Comments