呉茱萸湯
【効能】
散寒、利水、止嘔
【適応するもの】
寒飲上逆
胃虚寒の嘔吐、吃逆
本方は散寒、利水の呉茱萸、生姜と補気健脾の人参、大棗(ダイソウ)からなり、寒飲上逆に適する。
寒飲上逆とは、脾胃気虚による内湿(水分の吸収、排泄障害による消化管内や組織間の水分停滞)が基本にあり、さらに冷えによる肝の疎泄失調が加わって胃に横逆し、平滑筋トーヌスが上昇し(幽門の通過障害が生じる)、
冷え、寒気を呈しながらめまい、悪心、嘔吐をきたすものです。
半夏白朮天麻湯の適する痰濁上擾や茯苓飲の適する胃の痰飲の共通する病態ですが、寒証が明らかな点が異なります。
また「呉茱萸湯」は片頭痛の漢方治療では、代表的な薬で、特に吐き気がともなうときに適しています。
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