機能性ディスペプシアは鍼灸で改善する?東洋医学から考える原因と治療について
- 7月22日
- 読了時間: 5分

はじめに
「機能性ディスペプシアと診断されました。鍼灸で良くなりますか?」
当院でも、このようなお問い合わせをいただくことが増えてきました。
病院で胃カメラや血液検査を受けても異常はない。それでも、
食後に胃が重たい
少し食べただけでお腹いっぱいになる
胃が張る
吐き気がある
みぞおちが苦しい
食欲が出ない
このような症状が続き、「機能性ディスペプシア」と診断される方は少なくありません。
東洋医学では、このような状態を単純に「胃の病気」と考えることはありません。
東洋医学には「機能性ディスペプシア」という病名はありません
東洋医学では、西洋医学の病名ではなく、「身体が今どのような状態になっているか」を診ます。
そのため、機能性ディスペプシアという診断名でも、
胃の動きが悪い人
ストレスが強い人
身体が冷えている人
水分代謝が悪い人
気血が不足している人
など、原因は一人ひとり全く異なります。
つまり、「機能性ディスペプシア」という診断名は同じでも、東洋医学では全く別の病態として考えることが少なくありません。

東洋医学ではどのように考えるのか
東洋医学では、症状を「証(しょう)」という身体の状態に分類して治療します。
機能性ディスペプシアでよく見られるものとしては、
肝胃不和(かんいふわ)
ストレス・緊張・不安などの精神状態の不安定によって「気」の流れが悪くなり、胃腸の働きが低下するタイプです。
食欲がない
胃が張る
ため息が多い
症状がストレスで悪化する
比較的多く見られるタイプです。
胃気上逆(いきじょうぎゃく)
胃の気が本来下へ降りるべきところを逆流する状態です。
東洋医学では、
悪心(おしん:吐き気)
噯気(あいき:げっぷ)
嘔吐
胸やけ
などとして考えます。
食滞(しょくたい)
食べ物が胃の中で停滞してしまう状態です。
胃もたれ
食後に苦しい
お腹が張る
食べると悪化する
などが特徴です。
脾胃気虚(ひいききょ)
胃腸そのものの働く力が弱くなっている状態です。
少し食べるだけで満腹になる
疲れやすい
食欲がない
軟便・下痢になりやすい
体重減少を伴う
慢性的な機能性ディスペプシアではよくみられます。
胃陰虚(いいんきょ)
胃の潤いが不足している状態です。
空腹なのに食べられない
口が乾く
胃がヒリヒリする
舌に苔が少ない
などを伴うことがあります。
「悪心」「痞満」「嘈雑」など様々な症状として捉えます
東洋医学では、病名ではなく症状そのものにも意味があります。
例えば、
悪心(おしん):気持ち悪さ
痞満(ひまん):みぞおちの詰まり感・膨満感
嘈雑(そうざつ):胃の中がムカムカ・ソワソワするような不快感
噯気(あいき):げっぷ
呑酸(どんさん):酸っぱいものが上がる
など、それぞれを身体からのサインとして考えます。
同じ機能性ディスペプシアでも、どの症状が中心なのかによって治療方針は変わります。
当院では何を診るのか
当院では、
問診
脈診
舌診
腹診
を行い、
「なぜ胃が働けなくなっているのか」
を東洋医学的に判断します。
病名だけで治療を決めることはありません。

「何回で治りますか?」というご質問について
当院には、機能性ディスペプシアでお悩みの方から多くのお問い合わせをいただきます。
その中で、ときどきいただくご質問が、
「何回くらいで治りますか?」
というものです。
お気持ちはとてもよく分かります。
少しでも早く良くなりたい、どのくらい通えば改善するのか知りたいと思われるのは当然のことです。
しかし、初診前の段階で、このご質問に正確にお答えすることはできません。
理由はとてもシンプルです。
「機能性ディスペプシア」という診断名だけでは、お身体の状態が分からないからです。
例えば、
発症してまだ1か月の方
10年以上症状が続いている方
ストレスが主な原因となっている方
体力や消化機能の低下が背景にある方
冷えや食生活の影響が大きい方
このように、同じ「機能性ディスペプシア」と診断されていても、お一人おひとりで病態はまったく異なります。
そのため、治療回数や改善までの期間も当然変わってきます。
これは現代医学でも同じです。
同じ病名・同じ薬を処方されても、すぐに改善される方もいれば、なかなか改善しない方もいらっしゃいます。
実際に、当院へ来院される方の多くも、病院で検査や治療を受けても十分な改善が得られず、鍼灸という選択肢を求めて来られています。
東洋医学では、病名ではなく、その方のお身体の状態を診て治療方針を決めます。
実際にはどのような経過になるのか
当院では、
初回の治療で「胃が軽くなった」「食べられるようになった」と変化を感じられる方
数回かけて徐々に改善していく方
慢性的な経過のため、体質改善を含めて時間をかける方
まで、本当にさまざまです。
最後に
機能性ディスペプシアは、「検査では異常がないのに症状が続く」という、とてもつらい病気です。
だからこそ、東洋医学では病名だけではなく、その方の身体全体を診ることを大切にしています。
「もう治らないかもしれない」と悩まれている方も少なくありませんが、身体の状態を丁寧に見極めることで改善の糸口が見つかることもあります。
お一人で悩まず、お気軽にご相談ください。








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