現代医学は“気”に近づいている? ― 西洋医療に見る“気一元論”への回帰
- yuki kiyama
- 5 日前
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近年、西洋医学でも「心と体のつながり」や「人間全体を診る」という考え方が注目されています。これはまるで、東洋医学が古くから大切にしてきた「気」の考え方――“気一元論”に近づいているようにも思えます。本記事では、心身医学・ホリスティック医療・エネルギー医学といった西洋の新しい医療の潮流と、東洋医学との共通点についてご紹介します。

気一元論とは?
東洋医学では、心も体も自然も、すべては「気」のあらわれと考えます。物質とエネルギー、心と体、自然と人間を区別せず、全体として調和の中に健康を見出す。これが「気一元論」です。こうした思想は、古代中国の道教や陰陽五行思想に基づいており、現代の東洋医学の根幹にもなっています。
1. 心身医学 〜心と身体はつながっている〜
西洋でも「ストレスが病気を引き起こす」といった研究から、「心と体は一体である」という考え方が広まりました。これが「心身医学(psychosomatic medicine)」です。胃潰瘍・高血圧・アトピー性皮膚炎など、ストレスや感情と深く関係する病気は多く、現代医療でも「心のケア」が重要視されるようになっています。
▶︎ 東洋医学でも、怒りや憂いといった「七情」が臓腑の働きに影響するとされており、非常に近い考え方です。
2. ホリスティック医療 〜人間をまるごと診る〜
“Holistic”は「全体的」という意味。ホリスティック医療では、身体・心・霊性・環境など、あらゆる側面を含めて「人間全体を診る」ことが大切とされます。薬や手術だけでなく、栄養・生活習慣・心のあり方にも目を向け、患者さん自身の自然治癒力を引き出すことが目標です。
▶︎ これはまさに、東洋医学が古くから重視してきた「養生」の思想そのものです。
3. エネルギー医学 〜“見えない力”に注目が集まる〜
「気」や「生命エネルギー」といった、科学的にはまだ証明が難しい力を用いた医療も、西洋では「エネルギー医学(Energy Medicine)」として注目されています。たとえば:
レイキ(手を当てるヒーリング)
気功や太極拳
波動療法やヒーリングタッチ
こうした療法では、人の周囲にあるとされる「エネルギーフィールド(生体場)」を整えることで、身体のバランスを回復させます。
▶︎ 東洋医学における「気・経絡・ツボ」の考えと通じるものがあります。
統合医療という動き
最近では、現代医学(西洋医学)・代替医療・伝統医学を融合した**「統合医療(Integrative Medicine)」**という分野も進んでいます。アメリカでは大学病院にも専門センターができ、WHOも伝統医学の価値を再評価しています。
現代医学が見直される“東洋的な視点”
今、西洋でも「気」「全体」「心と体の一体性」への回帰が進んでいるように感じます。私たちが学んできた東洋医学の知恵は、決して過去のものではなく、未来の医療とつながっているのかもしれません。渓風院では、こうした東西の架け橋となるような鍼灸を大切にしています。