今回は、補陽剤についてご紹介します。
補陽剤は陽虚(ようきょ)に対する方剤です。
※陽虚とは・・・身体の陽気が減ること
身体の陽気に関わる臓腑は主にこの三つです。
心、脾胃、腎
その中でも、腎陽虚が主体となります。
■腎陽虚とは?
腎の臓の陽気が虚哀し、身体を温めることができなくなって起こる状態。
■腎陽虚に見られる症状
悪寒や手足が冷える
元気がない
腰や膝の痛み
流産しやすい
男性ではインポテンツ
女性では性欲欠乏や不妊
夜間尿
■より詳しい症状
尿の回数や量が増え、無色透明な尿が出ます。
それも冷えると増加するのが特徴です。
性欲が低下し、男性では勃起力が弱くなり、
精液も水のように色が薄く粘稠度が低くなり、射精後に倦怠感や身体の冷えが増悪する傾向があります。
女性では月経が遅れたり、経血の色が薄くなったりします。陽虚の程度が強いほど、手足の冷えの程度と範囲が拡大します。
〈程度〉
手先足先が冷える
↓
手首や足首まで冷える
↓
肘や膝近くまで冷える
■体に出てくるツボの反応
〈背中のツボ〉
腎兪、志室、気海兪、大腸兪・膀胱兪・胞肓
〈お腹のツボ〉
大巨の冷えと虚の反応が頭者(特に右側)
〈手足のツボ〉
陰谷
復溜
大渓
照海
湧泉
これらも、虚と冷えが強く出現してきます。
〈脈〉
遅脈や弱脈、枯脈のこともあります。
特に尺中で顕著となります。
〈舌〉
舌は色褪せが強く、湿潤傾向
紅舌(ベロが真っ赤)を呈する場合もあります。
〈顔〉
腎の部位(あご周囲)が白く色抜けたり、ツヤがなくなったり、黒くくすんだようになることもあります。
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