郭玉(かくぎょく)
後漢書に伝がある。
郭玉は広漢郡駱県の出身。
その昔、涪翁と呼ばれる貧しい老人がいた。
この方は釣り好きで、ときには病人に鍼をして治療を行い、必ず卓効を奏した。
この涪翁の弟子になったのが程高。
そして、郭玉は程高を師事する。
中国の書物に出てくる鍼医者というのは、どうも高貴の患者【おえらいさん】に治療を行うというエピソードが多い。
その中で、この郭玉はこう述べている。
「高貴な人の多くは、私より高い立場で私に接するものです。私は怯えながらその要求に従い、治療を行います。その際、四つの難があるものです。」
「第一は、自我を張って私に全てを委ねようとしないこと。
第二は、自分の養生に留意しないこと。
第三は、体格が弱くて薬が使いづらいこと。
第四は、楽ばかり求めて労を嫌うこと。」
「針の刺入には一定の深さがありますが、ときには危険を伴います。気持ちが慄いていて遠慮がちでは、意を尽くし思い通りのことはできません。こんなことでどうして病気に対抗できましょう。これが貴人の治療が難しい理由です。」
ここで生まれたのが「医は意なり」です。
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