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副鼻腔炎による緑色の鼻水・発熱・咳の1症例

熊本市で東洋医学専門の鍼灸治療を行う当院では、内科的な不調や自律神経の乱れなど、原因がはっきりしない症状にも対応しています。  このページでは、実際に来院された方の症例と、その診察・施術の流れをご紹介しています。同じようなお悩みをお持ちの方の参考になれば幸いです。

初診日:X年6月15日

副鼻腔炎で悩む男性

患者さん情報

30代男性 会社員
店舗で販売・営業を行う仕事で、店長を務めている。今年から50代の年上の元店長と役職が入れ替わり、プレッシャーを感じるようになっている。

服用中のお薬

薬服なし

お悩みの症状

副鼻腔炎による発熱・咳・鼻水(緑色)

3ヶ月前の主訴発症以降、2〜3週間に一度発熱(38°C〜39°C)する。

発熱すると、痰の絡む咳、緑色の粘っこい鼻水・上咽頭の乾いたイガイガする痛みが出る。

また、主訴発症以降、食事量は変わらないが-5kgほど体重減少がある。

初診2日前、39.5°Cの発熱・倦怠感があり、解熱剤を使用。

来院時には37.2°Cほどの微熱がある。

副鼻腔炎の解説
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既往歴〜現病歴

幼少期

この頃から、鼻炎があり、点鼻薬を使用していた。 高校生までは月に1回風邪を引きやすく、発熱することが多かった。


小学生

体型は痩せ型で、周りの子と比べ、食事量を多くとることができなかった。 学校行事などのイベントの前や旅行前は、下痢をすることが多かった。 下痢をすると身体はスッキリしていた。


中学生

ソフトテニス部に所属。長距離走などの練習が多く、練習量はハードだったが体力はついていけていた。 この頃から、肉類や油膩物、スナック菓子を食べることが増えていく。


高校生

硬式テニス部に所属。この頃から徐々に食事を多く取れるようになり、部活の練習量はハードだったが、体力は問題なくついていけていた。 肉類や油膩物、スナック菓子を食べることは続くが、この頃から30代前半まで風邪は引きにくくなる。


20代後半〜31歳

建築事務所に就職する。夜0時まで働くことが多々あり、とてもハードな仕事だった。勤め先の所長の言い方がきつく恐怖感やプレッシャーを感じることが多く、鬱になる。頭がぼーっとして物事が考えられない・体が動かない・少し歩いても疲れて座り込む症状があり、精神科で抗うつ薬を処方してもらい、一年かけて治る。仕事は退職し、リハビリ感覚で農作業をやったり、福祉用具の貸し出しの仕事を始め、少しずつ社会復帰していく。

この頃から、ランニングを行うようになり、初めは15分間走るのもしんどかったが、フルマラソンに参加できるくらい体力もついていく。また、アイスやヨーグルトを食べた後や緊張する行事の時によく下痢をするようになる。残便感あり。


30代

現職

結婚し、子供が生まれる。以降、運動習慣なし。

仕事は販売・営業を店舗で行う仕事で、2人体制で勤務している。

もう一人の社員は年上の50代男性(元店長)で、今は本人が店長に就任し、年上の方が部下になったため、気を遣うことも多く、責任感・プレッシャーが徐々に増していく。

また、子供の夜泣きで複数回目覚めるようになり、睡眠がとれていない日々が続く。


来院3ヶ月前

主訴発症。



その他の症状

頭が痛い

風邪を引きやすい

風邪を引いた場合(咳、痰、喉痛、発熱、鼻詰まり、頭痛)

痰が切れにくい

目の症状(乾燥、かゆみ、充血)

よく下痢になる

胃が痛む

小便の切れが悪い

疲れを感じやすい

体重の減少がある(52kg→47kg)

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患者さんの体表観察情報

顔面気色診

顔面気色診

神:栄
形:痩
気色:心肝(沈んで赤黒)腎(青白)

背中の診察.jpg

背候診

左心兪虚中実、左神堂虚中実、右神堂実、左膈肝虚、右膈肝実(TOP)、右肝兪実

舌診.jpg

舌診

舌色:紅色
舌苔:白膩苔
舌腹:暗紅色
右舌辺無苔、舌尖紅刺など

夢分流腹診図.jpg

腹診

以下に硬い邪あり
心下
両脾募

脈診.jpg

脈診

一息4至 やや脈浮 按じて滑大
脈幅:有り
脈力:有り
重按:有り

手足のツボの診察

経穴診

左神門虚、右大陵実、左合谷虚、右腕骨実、左陽地虚、左後渓虚中実、右上廉実など

東洋医学的な診断名

肝鬱化火

治療経過

<初診>

左の手のツボを使用 2番鍼15分置鍼


<2診目>5日後に来院

鍼後のだるさ・眠気なかった。

この5日間、朝は熱はないが昼頃になると38°C〜39°Cの発熱、咳がある。

鼻水は、黄緑色→無色透明になっていて徐々に良くなっている。

睡眠OK

食欲はあまり無く、水のような下痢がつづいている。残便感あり。


背中の至陽というツボ 3番鍼25分置鍼


<3診目>9日後に来院

前回治療以降、発熱・咳・鼻水はなくなる。


<4診目>1ヶ月後来院

4-5日前からまた鼻水が出始めて、黄色から緑色に変わりそうな状況。

発熱はなし。

初診と同じ左手のツボを使用


以降、2ヶ月後、3ヶ月後、半年後と症状が出そうになると来院され、症状がキツくなる前に予防として鍼治療を行なっている。

もう少し治療頻度を増やして完治させたいところですが、ご本人の生活状況などもあり、現在もたまに治療を行っております。

いずれにせよ、鍼治療を行うようになり、発熱がなくなり、副鼻腔炎の頻度も減ってきています。

この方は、睡眠不足や会社でのストレス・疲労が溜まると体の中に熱が籠るようになる体質です。その熱が深くなると一回の鍼治療ではとれないこともあるので、症状が出たと思ったら早めに来ていただくよう通院指導しております。

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同じ症状でお悩みの方へ

これまでに当院で対応してきた症状や、東洋医学の視点からの考え方を、ブログでも詳しくご紹介しています。「病院では原因がわからなかった」「なんとなくの不調が続いている」そんなお悩みを抱える方に向けて、少しでもヒントになるような情報をお届けできればと思い、書き綴ってきました。同じような症状でお困りの方の参考になる記事を、こちらにまとめています。体のことを知るきっかけとして、そして「一人じゃない」と感じていただけるきっかけになれば幸いです。

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