右腰部〜下肢後面にかけて電撃痛の1症例
熊本市で東洋医学専門の鍼灸治療を行う当院では、内科的な不調や自律神経の乱れなど、原因がはっきりしない症状にも対応しています。 このページでは、実際に来院された方の症例と、その診察・施術の流れをご紹介しています。同じようなお悩みをお持ちの方の参考になれば幸いです。
初診日:X年9月30日

患者さん情報
80代女性 専業主婦 夫と娘と3人暮らし。デイサービスで軽い運動習慣あり。
服用中のお薬
狭心症の薬(薬名不明)
胃薬(薬名不明)
降圧剤(薬名不明)
お悩みの症状
右腰部〜下肢後面にかけて電撃痛
2週間前に発症し、症状は変わらず、ふとした瞬間にNRS10の電撃痛が頻繁に来る。
夜間痛もでているため、途中で起きることもしばしば。

既往歴〜現病歴
幼少期
特に大きな病気はなく、健康でよく外で遊ぶ子供だった。
中学
ソフトテニス部に所属
15歳で初潮。定期的で月経痛、血塊ともになし。
20代
東京で、製造業の仕事を開始。 この当時、急に足のむくみが出現したため、病院を受診すると「腎臓病」と診断される。 数ヶ月入院し、以降経過観察。
30代前半
よく足が浮腫み、押すと1cmくらい凹むことも多かった。 30代後半からは転職し、医療事務の仕事につく。職場は足元が冷えやすい環境で、細かな作業が多く、長時間座ることも多かった。
50代
腎臓問題なし、閉経
ある時急に足のむくみが出なくなり、腎臓の数値も問題ないと言われる。 更年期症状などはなく、ピタッと月経は止まる。
60歳
急に胸部のもやもや感と動悸が出現、病院で狭心症と診断される。 この頃から孫の面倒をみて、抱っこをするときに腰部に重だるい症状がでていた。数分歩いていると、腰全体に重だるい症状が出始める。
72歳
正面衝突の事故にあう。本人は後部座席に乗車しており、前の座席に顔面、足を強打。 自宅療養で、1-2ヶ月間、家で安静に寝ていた。
74歳
足先の感覚がなく、雲の上をあるくような状態になっていた。 左右差なし。病院で脊柱菅狭窄症と診断され、治療は不明だが、少しずつ寛解していく。
79歳
白内障
80歳
9月18日(初診日2週間前)の朝に、右臀部に違和感程度の痛みを感じたため、普段通っているデイサービスを休む。
その日の深夜、寝ているときに右腰部から右足先にかけて、電気が走るような激痛が出現。
翌日、整形外科を受診し、「腰椎3〜4番目で神経が当たっている」と言われる。
整形外科では、腰の牽引をしてもらい、少し楽になるが、その日の夜には元の症状に戻る。
9/19〜9/25
数カ所の病院に行くが、すべて「神経があたっている」と言われる。
9/26
ブロック注射
直後は楽になったが、病院から帰るころには痛みがもとに戻っていた。
現在
症状は変わらず、ふとした瞬間に電撃痛が頻繁に来る。
夜間痛もでているため、途中で起きることもしばしば。
その他の症状
首肩が凝る
腰が痛い
痰が切れにくい
冷え症である
むくみがある(場所:足)
患者さんの体表観察情報

顔面気色診
神:枯
色:青白
形:中
心肝白、脾白、腎青

背候診
左膈兪虚中実、左胆兪虚、右脾兪実、右胃兪実、右膀胱兪虚

舌診
舌色:紅色