喉の詰まり・息苦しさの1症例
熊本市で東洋医学専門の鍼灸治療を行う当院では、内科的な不調や自律神経の乱れなど、原因がはっきりしない症状にも対応しています。 このページでは、実際に来院された方の症例と、その診察・施術の流れをご紹介しています。同じようなお悩みをお持ちの方の参考になれば幸いです。
初診日:X年3月04日

患者さん情報
20代男性 鹿児島県在住。家族4人の実家暮らし。現在は、福岡の大学の春休み期間中のため、実家に住んでいる。
服用中のお薬
アニュイティ・ビラノア錠・アラミスト点鼻薬
お悩みの症状
喉の詰まり(食事が喉を通らない)・息苦しさ
1年半前の夏頃、突然食事中に食べ物が飲み込みづらくなり、同時に息苦しさ(呼吸が浅い)の症状が出る。すぐに病院にいき「喘息がひどい」と言われる。ステロイド錠剤を処方され、後日吸入器も処方。息苦しさは次第に落ち着き、半分ほど症状はおちつくも、食事が喉を通りにくい症状は現在も続く。

既往歴〜現病歴
幼少期
生まれてすぐ、低酸素・黄疸があり、酸素注入と光線療法を行う。よくミルクを吐いてしまう子供だった。
生後1ヶ月で顔にアトピーが出現し、ぱんぱんに腫れていたため、ステロイド治療を行う。症状はすぐに良くなるも、以降、たまに顔や体を痒がるようになる。
1歳が過ぎた頃、アトピーが全身に広がり、小児喘息も発症。
2歳〜
扁桃腺が腫れることが多く、よく発熱していた。小学校高学年以降は、風邪もひきにくくなる。
小・中学
部活には入らず、運動習慣は体育の授業のみ。
小学校高学年から中学まで不登校になる。
高校生(通信制)
下血が続く。病院では潰瘍性大腸炎などの検査も行うが異常がなく、原因不明。
大学生
主訴発症
その他の症状
頭痛がある
寝違いを起こしやすい
首・肩・背中がこる
鼻が詰まる
咳が出る
ゲップが出る
あくびが出る
胸が苦しい
眩暈がする(回転生)
光が眩しい
身体が痒い
アレルギーがある
耳鳴りがある
聴力に異常がある
扁桃を腫らしたことがある
のどがつまる
のぼせる
痔がある
患者さんの体表観察情報

顔面気色診
神:栄
形:痩
色:心肝色抜け・腎青
腠理:密 膏沢:有り

背候診
右膈兪実・左肝兪虚・右肝兪実などなど

舌診
舌色:紅色
舌苔:白薄苔
舌腹:紅色
舌尖紅刺が顕著

腹診
以下に硬い邪あり
心下
脾募・胃土
臍周・右肝相火

脈診
一息三至半 緩滑 緩不足
脈幅+
脈力+
重按+ 押し切れあり
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経穴診
右大陵実・左太白虚・右太衝実・右内関実・右後渓虚中実・左照海虚
東洋医学的な診断名
肝鬱気滞〜化火内風≧腎虚
治療経過
<1〜5診目>週1回治療
手のツボを使用
食事中の喉の詰まりは、徐々に改善していき、5診目以降は感じなくなる。
<6〜10診目>週1回治療
手のツボを使用
喉のつまりはない。
外出時にたまに息苦しさが出るが、頻度がかなり減っている。
以降、学校の長期休みも終わり、鹿児島の実家から福岡の自宅へ戻る。
神経疲労が溜まってくると、指先の痒み・口の渇き・喘息・息苦しさが出現してくるため、月に1回程度メンテナンスとして治療を行う。
<11〜13診目>月1回治療
手のツボ・足・頭のいずれかを使用
息苦しさが2−3くらいの割合で出ている。
喘はないが、口の渇きが気になるとのこと。
<14〜16診目>月1〜2回治療
手のツボ・・頭のいずれかを使用
息苦しさは落ち着いている。一時、口の渇きがよくなっていたが、最近また気になるようになっている。
<17診目以降>月1回治療
喘息症状がほとんど出なくなっている。
たまに息苦しさはあるが、軽度。
喉の詰まりもない。
同じ症状でお悩みの方へ
これまでに当院で対応してきた症状や、東洋医学の視点からの考え方を、ブログでも詳しくご紹介しています。「病院では原因がわからなかった」「なんとなくの不調が続いている」そんなお悩みを抱える方に向けて、少しでもヒントになるような情報をお届けできればと 思い、書き綴ってきました。同じような症状でお困りの方の参考になる記事を、こちらにまとめています。体のことを知るきっかけとして、そして「一人じゃない」と感じていただけるきっかけになれば幸いです。