冷たい風が当たると頭痛がする…それは「風寒邪」が原因かもしれません【鍼灸師が解説】
- yuki kiyama
- 1 日前
- 読了時間: 5分

「外を歩いていて冷たい風が顔や首に当たると、決まって頭痛がする…」
「エアコンの風が直接当たると、ズキズキする…」
このような経験をお持ちではありませんか?
一見、些細なことに思えますが、東洋医学や西洋医学の視点で見ると、冷たい風がきっかけで起こる頭痛は、しっかりとした原因があることがわかります。
この記事では、冷たい風による頭痛の原因と対処法を、東洋医学・西洋医学の両面からわかりやすく解説します。
また、以前解説した「冷たい風が当たると頭痛がする」こちらの記事もご覧ください。
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【目次】
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1. 冷たい風が当たると起こる頭痛とは
冷たい風やエアコンの風が顔や首に当たった時、ズキズキとした痛みや締めつけるような頭痛を感じる方がいます。
この症状は、単なる気のせいではなく、寒冷刺激による血流の変化や筋肉の緊張、または東洋医学でいう“風寒邪”の影響が関わっていることが多いのです。
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2. 西洋医学的な原因とメカニズム
西洋医学では、次のような要因が考えられています。
• 寒冷刺激による血管収縮
冷たい風が皮膚や筋肉に当たることで、血管が収縮し、頭痛を誘発します。
• 筋緊張性頭痛の悪化
普段から首や肩のこりがある方は、冷風によって筋肉がさらに緊張し、頭痛が出やすくなります。
• 「寒冷刺激性頭痛」
アイスクリーム頭痛と同じ原理で、急激な寒さが神経を刺激し、頭痛が起こる場合もあります。
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3. 東洋医学が考える「風寒邪」とは
東洋医学では、自然界の「風」や「寒さ」が体に侵入すると、様々な不調が生じると考えます。
この冷たい風による頭痛の多くは、「風寒邪(ふうかんじゃ)」が原因です。
特に体の防衛機能が弱っていると、首や後頭部から風寒邪が侵入し、気血の巡りが滞り、頭痛や首肩のこりを引き起こします。
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4. 【専門解説】風寒邪のタイプと対処法
東洋医学では、「風寒邪」にもバランスの違いがあります。
症状に合わせて、適切なツボ刺激や漢方薬を選ぶことが重要です。
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① 風>寒タイプ 〜風の影響が強い〜
特徴
• 頭痛が移動する
• 風に当たると悪化する(悪風)
• 汗が自然に出ることが多い
• 比較的寒気は軽い
おすすめ漢方薬
• 桂枝湯(けいしとう)
体表を温め、風邪を発散させる代表的な処方です。
おすすめツボ
• 外関(がいかん):手首の外側にあるツボ。風邪を発散し、体表を整えます。
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② 風<寒タイプ 〜寒さの影響が強い〜
特徴
• 強い寒気
• 汗が出ない
• 頭痛が重だるく、締めつけ感が強い
• 首肩のこわばりが顕著
おすすめ漢方薬
• 葛根湯(かっこんとう)
寒さでこわばった首肩や、寒気を伴う頭痛に用いられます。
おすすめツボ
• 合谷(ごうこく):手の甲の親指と人差し指の間
• 身柱(しんちゅう):肩甲骨の間の上部
これらのツボにお灸をすることで、体を温め、寒邪を追い払います。
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5. セルフチェック|あなたはどのタイプ?
以下の項目で当てはまるものをチェックしてください。
✅ 冷たい風に当たると頭痛がする
✅ 頭痛の場所が日によって変わる(→風>寒タイプ)
✅ 風が当たると悪化する(→風>寒タイプ)
✅ 強い寒気がある(→風<寒タイプ)
✅ 汗が出にくい・全く出ない(→風<寒タイプ)
✅ 首肩がこわばりやすい
該当が多い方は、風寒邪の影響が考えられます。
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6. 自宅でできる頭痛予防とセルフケア
• 外出時は首や後頭部を冷やさない(ストール・帽子活用)
• エアコンの風向きに注意する
• 首肩まわりを温める(カイロ・温熱シート)
• ツボ押しやお灸を取り入れる
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7. 鍼灸治療と漢方による根本改善
鍼灸では、
• 風門(ふうもん)
• 風池(ふうち)
• 外関(がいかん)
• 合谷(ごうこく)
• 身柱(しんちゅう)
などのツボを用いて、風寒邪の侵入を防ぎ、気血の巡りを整えます。
また、体質や症状に合わせた漢方薬の提案も有効です。
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8. 【実際のケース紹介】冷たい風の頭痛が改善した例
40代 女性
エアコンの風に当たると毎回ズキズキとした頭痛が出る。肩こりも強く、寒気を感じることが多い。
【施術内容】
• 鍼灸治療(身柱のお灸4層や合谷というツボに鍼治療)
• 自宅での首の保温(タオルをいれる)を指導
【経過】
1週間合計2回の施術とセルフケアの結果、冷たい風による頭痛はほとんど感じなくなった。
他にも色々な鍼灸症例がありますので、ご覧ください。
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9. よくある質問(Q&A)
Q. 頭痛だけでなく肩こりもつらいのですが関係ありますか?
→ あります。風寒邪は筋肉のこわばりを引き起こし、頭痛と肩こりがセットで起こることがよくあります。
Q. 市販薬でよくならない場合、鍼灸は効果ありますか?
→ 風寒邪が原因の場合、根本的な改善には鍼灸や漢方が有効です。
Q. すぐ病院へ行くべき場合は?
→ 激しい頭痛、意識障害、手足のしびれ、嘔吐を伴う場合は、脳の疾患の可能性があるため、早急に医療機関を受診してください。
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10. まとめ
冷たい風が当たると起こる頭痛は、単なる気のせいではなく、「風寒邪」の影響を受けている場合があります。
体質や症状に合わせた適切なケアを行えば、再発を予防し、快適な日常を取り戻せます。
同じような症状でお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。