冷たい風に当たると頭痛がするのはなぜ?
世の中には、冷たい風に当たると頭痛がするという方がいます。
おそらく、今の現代医学では説明できないような内容ですが、東洋医学では理論的に説明できます。
ですが、今から説明する内容は、正直これだけが原因ではありません。
なぜなら症状はみんな同じでも、体質やこれまでの発症のメカニズムが異なってくるからです。
それを踏まえた上でお読みいただけると幸いです。
それではいきましょう!
まず、東洋医学では「冷たい風に当たると頭痛がする」という症状は、風寒邪(ふうかんじゃ)の原因が高いと考えます。
今回はこの症状の原因について解説していきます。
①頭痛の原因となる風寒邪とは?
まずみなさんはこの漢字をどう読みますか?
「風邪」
「かぜ」と読まれた人がほとんどだと思います。
しかし、読み方を変えると風邪(ふうじゃ)とも読みますよね。
東洋医学ではこれをフウジャと読みます。
人に害を与えてしまう風の邪気のことを意味します。
「邪気ってなんやねん。笑」と思われた方、ご安心ください。
ちゃんとわかりやすく説明します。
東洋医学は数千年もの歴史があり、昔から多かった病気や症状、治療法などを本に残し、現代まで受け継がれています。
そのため、今の現代医学のように人の身体を機械として考えず、人の身体を自然の一部と考えました。
じゃあなぜ人は病気になるのか。
それは、身体の外側から悪いものが入ってくるせいだ。
または、内側の精神的感情の変化によるものだ。
または、どちらでもないものだ。など、3つの要因に分けました。
これを東洋医学では三因(さんいん)と呼びます。
この風邪(ふうじゃ)は、今回の頭痛の原因でいう外から入ってくる悪いものに分類されます。
この風邪(ふうじゃ)は東洋医学では百病の長と言われ、大概は他の邪気と合わさって体内に侵襲してきます。
つまり、風寒邪(ふうかんじゃ)とは風邪と寒邪の2つが合わさった邪気のことです。
この風寒邪は、季節の変わり目や寒冷地での生活、突然の気温の変化など、さまざまな要因で体内に入ってきます。
風寒邪が体内に侵入するメカニズムとは?
風寒邪は、体内に侵入するメカニズムが特徴的です。
首の周囲には、「風門」、「風府」という「風」の文字がつくツボ(経穴)が沢山あります。
なぜかというと、風寒邪は首の後ろ側、上半身後面から入ってきやすい性質があるからです。
風門(風の門)とはかっこいい名前ですね。。笑
この上半身後面から入った風寒邪が原因で、頭部に気血が停滞し頭痛を発症します。
なので、風邪を引いた時に、首の後ろにタオルを入れて冷やさないようにしたり、
よくおじいちゃんおばあちゃん世代から「熱が下がるまで半身浴して風呂はいっとけ!」などと言われた人もいるかも知れませんが、
あれは上半身から発汗させて、体内に入ってきた冷えを外に出すやり方ですよね。
実は東洋医学的にも理にかなっております。
あまり知られておりませんが、実は東洋医学専門の鍼医、漢方医は、発汗させたり、温めたり、下痢をさせたりして患者さんの体を治していくんですね。
風寒邪による頭痛の特徴とは?
風寒邪による頭痛は、特徴があります。
まず、頭痛は項背部に放散したり、締め付けられるような感じを伴い、さらに、症状は外気温によって悪化することがあり、寒い日や風が強い日に痛みが増すこともあります。
これらの特徴から、風寒邪による頭痛と診断されます。
※風湿邪の場合「締め付けられるように頭が重く痛む、曇天時や雨天時に悪化します」
※風熱邪の場合「脹ったような頭痛、温まると増悪します」
風寒邪の他の症状と合わさるとどうなる?
風寒邪は頭痛だけでなく、他の症状と合わせるとより深刻な状態となります。
例えば、風寒邪による頭痛には、発熱や鼻づまり、咳などの風邪症状が伴うことがあります。
さらに、体のだるさや倦怠感、食欲不振などの全身症状も現れることがあります。これらの症状が重なることで、風寒邪による頭痛はより辛い状態になります。早めの対処が必要です。
②東洋医学での冷たい風に当たる頭痛の治療方法とは?
東洋医学では、冷たい風に当たることによって引き起こされる頭痛は風寒邪によるものとされています。
風寒邪は体内に侵入し、血液や気の流れを阻害してしまいます。そのため、頭痛や脳の血液循環の乱れを引き起こします。
風邪症状に鍼灸治療が有効なのか?と聞かれることがあります。
お答えとして「当たり前に有効です」
「先表後裏」という東洋医学の言葉がありますが、
例えば、あなたが腰痛で整骨院に通ってるとしましょう。
いつも腰を治療してもらっていて、ある日風邪を引きました。
そんなときに整骨院で風邪を無視したいつも通りの治療をおこなうと、
表在(身体の表面)にあった風邪がどんどん奥深くに入ってしまう可能性があります。
そうなれば、益々風邪症状が悪化していきます。
なので、先に腰ではなく、風邪を治療しないといけないということです。
もしくは、奥深くの病を意識しながらも浅い所を先に治療する。
風寒邪を解するための養生法とは?
体を温めることが重要です。まずは後頭部〜後頸部を暖めるために、タオルを首にいれ冷やさないようにしましょう。
また、「髪の毛は洗わない」や「濡れてもいい上着を着て、半身浴をし発汗させたり」などありますが、
まあご自身でできる養生は、全身をとにかく冷やさないということですね。
汗をかいた後もすぐに着替えたり、タオルで拭いたりしましょう!
一番行けない行動は、、、
入浴後、髪の毛が濡れた状態で放置していることです。これはホントだめですね。
東洋医学の観点から見た鍼灸治療の有効性とは?
東洋医学の観点から見た鍼灸治療は、冷たい風に当たった後にでる頭痛に対して効果的です。
鍼灸は、経絡(けいらく)と呼ばれる体のツボに鍼(はり)やお灸をすることで、体のバランスを整える効果があります。
頭痛の原因である風寒邪を追い払い、頭部の血液や気の流れを改善するために鍼灸を受けることをおすすめします。
この風寒邪による頭痛の方は、ツボの反応も特徴的です。
その特徴は、最後にご説明します。
冷たい風に当たった後の食事に注意すべきポイントとは?
冷たい風に当たった後の食事にも注意が必要です。冷たい飲み物や氷を摂ることは避け、温かい飲み物や食べ物を摂るようにしましょう。
また、栄養バランスを考えた食事を心掛けることも大切です。加えて、疲労回復や睡眠の質を高めるために十分な休息をとることも効果的です。
以上が東洋医学における冷たい風に当たる頭痛の治療方法です。体を温めることや鍼灸治療、適切な食事や休息をとることで、頭痛の緩和や改善を図ることができます。しっかりと対策を取り、健康な生活を送りましょう。
③冷たい風に当たらないための予防策とは?
風邪を予防するためには、冷たい風に当たらないようにすることが重要です。特に寒い時期には、体をしっかりと保温することが必要です。首元や手足の冷えを防ぐため、厚手の服装やマフラー、手袋を使用しましょう。また、室内でも暖房を適切に使って室温を調節することも大切です。さらに、風が通りにくい場所で過ごすことや、湿度を保つことも効果的です。これらの予防策を守ることで、冷たい風による風邪のリスクを減らすことができます。
前述した風寒邪は首の後ろ、上半身後面から入りやすいというのも覚えておいてくださいね。
東洋医学での風邪の予防法とは?
東洋医学では、風邪の予防には体のバランスを整えることが重要とされています。体を温めることがポイントであり、漢方薬や養生法を取り入れることが一般的です。例えば、生姜やネギなどの温かみのある食材を積極的に摂取することで、体を温める効果があります。また、免疫力を高めるためには十分な睡眠や適度な運動も重要です。さらに、ストレスや疲労を溜めないようにすることも大切です。東洋医学の視点から自己管理を行い、風邪を予防して健康な体を保ちましょう。
適切な服装や保温法の重要性とは?
適切な服装や保温法は、風邪予防のために欠かせない要素です。体温調節がうまくいかない状態だと、免疫力が低下し風邪を引きやすくなります。寒い季節には、重ね着や暖かい素材の服を選ぶことで体温をしっかり保つことができます。また、特に首や手首、足首などの体の末端部位は冷えやすいため、こうした部分を重点的に保温することも効果的です。さらに、室内でも暖房や湿度管理を工夫することで、快適な環境を整えることができます。適切な服装や保温法を心がけることで、冷たい風に当たらず風邪予防につなげましょう。
風邪を引いた場合の早期治療の必要性とは?
風邪を引いた場合には、早期の治療要が必要です。
風邪は放っておくと症状が悪化したり、合併症が起きたりする可能性があります。
熱や咳、鼻水などの症状が出たら、まずは十分な休息と水分補給を行いましょう。
さらに、症状に応じて市販の風邪薬を利用することも有効ですが、、、
自己判断での薬の使用は避け、鍼医、医師の指導を受けるようにしましょう。
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こちらは熊本県熊本市中央区水前寺にある伝統鍼灸 渓風院の院長(木山祐輝)が作成した記事となります。
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東洋医学専門の鍼灸院で、全国では稀の一本鍼を取り入れております。
熊本市にある東洋医学専門の鍼灸院 / 伝統鍼灸 渓風院
月火木金 :9:00〜12:00 15:00〜18:00
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TEL:070-9029-3453
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